IT界の『人事』はエンジニアの何を評価するのか
新卒応募や中途応募と、会社の人事と面接する機会はどこかできっと経験すると思います。アルバイトの面接と違って、より技術的なお話になったりしますね。
本記事では、私がIT会社で人事を担当したときに、応募されたエンジニアの何を見て評価したのかを紹介します。
面接官によって評価ポイントは様々ですが、本記事が面接練習など何かのヒントになれば幸いです!
目次
評価ポイント4選
- 向上心
- プログラミングが好きか
- 技術力
- コミュニケーション能力
上から順に、私が重要視している要素です。
全て大事ですが、例えばコミュニケーション能力が低くても、技術に対して燃えるような闘志がある人は採用しましたし、単に話し上手なだけであれば採用を見送ることもありました。
そりゃそうだと感じてもらえるなら、この記事は役に立たないかもしれません。ふわっとした要素なので、しっかり言葉にして残そうと思い、この記事を書きました。
向上心
面接で私が最も評価するポイントです。現在持っている技術よりも、技術に対する向上心の方に比重を置きます。
理由は単純で『今日の技術は、明日には過去のものになるかもしれない』からです。
ちょっと誇張表現だと感じるかもしれませんが、一度採用した人物とは年単位での付き合いになるつもりで考えなければなりません。そうなったときに、現在の技術より向上心が高い人物の方が、長い目で見てプラスだからです。
また、向上心の高いエンジニアは仲間にもよい刺激になります。
向上心の証明
私的に言い換えると『アンテナの力』です。
書籍や学習サイトを活用すれば、誰だって技術は身に付けられます。時間差はありますが、継続すれば誰だって技術は身に付けられます。
それ以外のポイントとして、『何らかの手段で新鮮な情報を仕入れることができる人物』を評価しました。興味のある分野や、挑戦したい分野が具体的で、行動に起こしている人物は顔つきも違います。
どうすれば新鮮な情報が仕入れられるかも研究の対象です。くれぐれも『好奇心あります!』なんて意味のない発言はしないようにしましょう。
プログラミングが好きか
『好きこそ物の上手なれ』ということわざがありますね。単純に好きは強さなので、プログラミング自体が好きかどうかは評価するポイントでした。
プログラミング好きの証明
プログラミングが好きだという人には、『ソースコードにこだわりや特徴が現れる』というのが私の持論です。抽象的な表現ですが、自分の書いたソースコードに愛着があるかどうかを見ます。
例えば、キャメルケースやスネークケースなど記法の統一、言語としてのコーディングスタイルが統一されているかなどです。
ソースコードを流用したときなど、自分ルールと違うプログラムが混ざるのって気持ち悪く感じませんか?フレームワークの構築時など、こういった精神を持つ人物は重宝しました。
技術力
技術力はあるに越したことはありませんね。技術力は確かに必要です。ただ、新卒応募で技術力がある人はいませんので、評価の優先順を少し下げているという感じです。
技術力の証明
言語や分野など、とにかく多くの要素や組み合わせがあるので、純粋に技術を評価するのは難しいです。私が主に見ているのは、モダンなコーディングができるかです。
新卒応募でモダンなプログラミングができる人はなかなかいませんが、教えられたことだけをアウトプットしている人は、並みの勉強量という評価に落ち着きます。意欲が高い人は、新卒応募であっても綺麗なコードを書いてくるケースも稀にあります。
多くのアルゴリズムを書いてきた人は、プログラムの質が違います。そして、モダンであるかどうかはプログラミング言語によって少し違います。そもそもモダンとは何か、というのも研究してみてくださいね。
コミュニケーション能力
プログラマーはパソコンと仲良しの方がスムーズですが、人とのコミュニケーションもやはり必要です。
ただ、よほどひどくない限りは大幅に減点することはしませんでした。
コミュニケーション能力の証明
コミュニケーション能力は特に意識する必要はないでしょう。
過ごした環境や性格によって様々なわけですから、最低限の礼儀だけを身につければよいと思っています。そのかわりに、礼儀知らずであれば学習不足だと評価はしました。
ただ、ひとつ私からの助言です。
『プログラマー』の上位職として『システムエンジニア』なるものが存在します。システムエンジニアはクライアント(お客様)とやり取りをし、設計し、プログラマーを動かすのが主な仕事です。つまり、優れたシステムエンジニアになるには、コミュニケーション能力が絶対的に必要です。
会社によって違いはあるでしょうが、システムエンジニアは会社にとって特に貴重な存在で、評価(給与)も高く設定されていることが多いです。もちろんプログラマーも大事な存在ですが、優秀なプログラマーを判断できるトップがいる良い会社だと、評価してもらえるかもしれません。
キャリアアップの要因にコミュニケーション能力も噛んでいることは、頭の片隅に置いておくとよいかなと思います。ただ、説得力を上げるには技術力が必要なので、どのみちプログラミング能力は高め続けるべきでしょう。
まとめ
私が評価したのは、上から順に以下の4点でした。
- 向上心
- プログラミングが好きか
- 技術力
- コミュニケーション能力
ほどほどに具体的に、そして抽象的に面接時の評価ポイントを紹介しました。この記事からどんな情報を汲み取って吸収できるかは、みなさんによってまたバラバラだと思います。
面接対策だったとしてもきっかけは何でもよいのですが、優れたプログラマーやシステムエンジニアを目指すための助けになれば幸いです。
以上、IT界の『人事』はエンジニアの何を評価するのか、でした。